
上の写真がなんだか判りますか?
タカサゴシロアリとい蟻の巣です。
通常、写真のように樹の幹数メートルの高さに巣を作ります。
では、下の写真はなんでしょう?

(撮影場所:バンナ公園 沖縄県保安林内)
一見すると一枚目の写真と同じ、タカサゴシロアリの巣のように見えますが、
全く違います。
これは発砲スチロールに茶色のペンキを塗ったものを、
樹の幹に括り付けているのです。
何故こんなことをするのか判りますか?
ヒントは下の写真です。

アカショウビンという渡り鳥です。
4月頃に南から石垣島に繁殖、子育てをするために、
はるばる渡って来ます。
アカショウビンは通常、
タカサゴシロアリの巣を繁殖、子育ての場所に利用します。
他にも樹木に付着する植物の根(オオタニワタリ等)などにも営巣します。
特徴なのは、アカショウビンは柔らかい素材の物に横穴を開け、
営巣に利用するということです。
先程の質問の回答です。
「発砲スチロールをタカサゴシロアリの巣に見立てて、
アカショウビンを呼び寄せる為に利用する。」です。
石垣島に渡来するアカショウビンはリュウキュウアカショウビンといい、
本州等に渡来するアカショウビンの亜種となります。
現在、このリュウキュウアカショウビンの正確な個体数等の調査は行われていませんが、「個体数が少ない、減少傾向にある。」という事態には陥っていません。
なので、この人工巣である発砲スチロールの巣は、
人の願望、欲望である「近くで、楽に観察、撮影したい。」などの思いから設置されていると推測されます。
「自然に生んで、自然の環境で育てる。」
当たり前のことなのですが、
人の身勝手な行為によって、
野生動物の大切な繁殖活動を邪魔してよいのでしょうか?
この発砲スチロールに穴を開け、
そのクズは、どこへ飛んでいくのでしょうか?
設置した人はどこまで考えているのでしょうか?
現時点で発砲スチロールが鳥に、
どのような影響を与えるか等は不明ですが、
決して良いことは無いと思います。
人と自然が身近になる?
自然を楽しむ?
何か違う気がします。
皆さんはどう思いますかね?
これらの考えは、
僕個人の考えですので、
不快に感じられた方がいらっしゃいましたら、
申し訳ありません。